|
【Ⅰ】造形カリキュラムの基本的な考え4.子どもの造形活動にみえるいくつかの節目(3)顔の出現一重円を描けるようになると顔の出現までまもなくですが、不思議なことに描かれたものがなんであるかが大人に分かるような客観的な描写の最初のものは、顔です。詳しいデータを取ったわけではありませんが、経験的に排泄の自立が完成するころ、保育者がそばにいてもいなくても子どもどうしで遊ぼうとするころが、顔を描くようになる時期と重なります。顔が出現すると、子どもの意図した描画が一気に広がりを見せます。また、絵の中で物語を紡ぐことも多くなり、粘土を使った表現も写実的になり、立体工作にも取り組めるようになります。この時期の子どもと一緒に造形に取り組むときには、応答的に会話が進行していることが大切です。子どもとのあいだに交わされる会話が描いたり作ったりのイメージを膨らませてくれます。保持されたイメージを持ち出して単体を描くだけでなく、単体と単体を関係づけたり、そこから新しいイメージやものごとがインプロバイズされることが大切になります。 |