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【Ⅰ】造形カリキュラムの基本的な考え4.子どもの造形活動にみえるいくつかの節目(1)イメージの保持の出現子どもが意図的にする模倣には、即時模倣と延滞模倣があることは良く知られています。即時模倣は目のまえで保育者が手を振れば手を振る、よっこらしょと腰を下ろせばおなじようにすることをいいます。それに対して延滞模倣は、過去の経験の再現として行われるものです。たとえば、両手を合わせて首をかしげ、目を瞑って「ねんね」といいながら寝たふりをする子どもは、"寝るイメージ"をその子なりの色あいで自分の中に保持していて、それを引っ張りだして使うことができるので、いま目のまえにないことがらでも模倣できるのです。これを延滞模倣と呼びますが、これができるようになるとごっこ遊びも活発化します(模倣も象徴機能の一つです)。「よく見て書こう」ということが描画で言われるのは、見なくても描けるからですが、ではイメージの保持以前の子ども、まだ延滞模倣ができない子どもの造形活動はどのようでなければならないのでしょう。 |