|
【Ⅰ】造形カリキュラムの基本的な考え3.造形活動理解の軸となるいくつかのこと(4)展示子どもの作品は、作業の途中であっても保育室や廊下に展示します。それは子どもが自分の作品を見ていたいからです。こども園は生活するところですから、きれいに飾るのは大切なことですし、子どもたちの作品を装飾に使えれば、これにこしたことはありません。保護者のためにも作品はあります。保護者が保育料を負担しているからだというのは冗談ですが、作品を通して子どもと保護者が語り合う姿はほほえましいものですし、保育者と保護者も子どもの作品をあいだにして、子どもの情報交換ができます。 もう一つの落とし穴は、良い絵、上手な作品です。できあがった作品を評価することは当然のようですが、ほんとうでしょうか。ここまで述べてきたように、造形は、子どもと保育者が一緒になって、アイデアを出しあったり、工夫を凝らしたり、試行錯誤を繰り返しながら楽しむ活動です。ですからその過程はつねに創造的であり、予想を超えた展開になります。保育そのものです。ですから保育者によるドキュメンテーションが不可欠であると繰り返し述べてきたのですが、いくらコメントが付されてるといっても、その最終形である作品だけをみて評価することは、子どもの造形の正しい評価にはなりません。 |