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【Ⅰ】造形カリキュラムの基本的な考え3.造形活動理解の軸となるいくつかのこと(3)技法と素材文字を知らないと手紙が書けないように、技法を身につけなければ描いたり作ったりすることは困難です。また、素材のもつ性質を知らないと、遠回りすることになるかもしれません。ところが、「あいうえおノート」を使ってひらがなを教えるような危うさが、技法と素材にはあるのです。たとえば、絵の具と水の割合による濃度の調節やはさみの使い方など、習得すればたしかに描画や工作に役立ちます。ところが先回りして子どもに方法だけを教え込むようでは保育ではありません。絵の具の濃度の調節もはさみの使い方も、実際の描画や工作に子どもと取り組む中で、「このほうが便利だよ、こうしたほうがうまくいくよ」と伝えることが大切です。体験を通して学ぶことが尊重されなければなりません。 |