就学前教育プログラム(概要版2009)学校ごっこ ~就学前教育を生活の場・交わりの場・学びの場から見る~


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2.交わりの場の就学前教育 ~人と関わる力の育ち~

 岩屋こども園アカンパニの保育目標の柱の一つに「私は私、でも私はみんなの中の私」があります。これは従来、自己主張と協調と呼ばれてきたものですが、人が他者とともに生きる、すなわち社会の中で生きていくために必要な人と関わる力のことをこのように表現しています。
 この人と関わる力には、3つの過程があります。それは、①自己を調整する力、②他者を支援する力、③みんなと協同する力です。岩屋こども園アカンパニでは週に一度を原則にエピソード記述を資料とするケースカンファレンスをもち、子どもたちの心の育ちについて語り合っています。
 そもそも音楽とは何か、音楽における表現とは何か、表現を可能にする音楽の要素にはどのようなものがあるか、などを問いながら音楽カリキュラム編成の基本的な考え方を示すために、保育の場に音楽とともに在ることの意味を、ひとまずは次のように整理しておきます。

1. 音楽とは、音声や楽音の集合が生成する意味を身体に響かせ、異なる世界に遊ぶこと。
2. 音楽が保育の場にある意味の一つは、音楽という表現媒体によるコミュニケーションによって、子どもや保育者が互いに分かりあえることに人としての喜びがあること。
3. 音楽が保育の場にあるもう一つの意味は、音楽の世界に没入することで人の内奥性の次元が開かれて、子どもや保育者に生きる意欲がもたらされること。

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