音楽カリキュラム編成の基本的な考え方


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【Ⅰ】保育の場の音楽とは何か

3.保育の場において、音楽の三要素がもつ意味

(2)メロディ(旋律)
①メロディはリズムとハーモニーを内包する
 メロディは音楽の主役ですが、たとえそれが単旋律であってもメロディ(西洋音楽に限定される)はリズムとハーモニーを内包しています。
 メロディは音符の連なりですが、その連なりから音階を取り除くとリズムが残ります。五線紙上でいえば、メロディを形成する音符を、たとえばすべて第3線上に並べるとリズム譜になります。これは思いのほか重要なことで、メロディとして聴くと違って聞こえるのに、リズム譜にしてみると同型反復になっていることがよくあります。
 メロディから重要と思われる音符を抜き出して、1小節、あるいは1小節の半分を区切りに五線紙上に縦に積み上げるとハーモニーが現れます。リズムと同じく、メロディはハーモニーも内包していることが分かります。
 このように、メロディは音の高低にのみ意味があるのではなく、メロディを形成する音の連なりに内包されたリズム、ハーモニーと協力して音楽的意味を生成していることが分かります。言い換えれば、音楽の三要素とはアナリーゼ(楽曲分析)や作編曲のために分類された要素であって、実際に音楽が歌われたり奏でられたりするとき、あるいは音楽に合わせて踊ったり演じたりされるときには、たとえその音楽がアカペラや笛の独奏であったとしても、三要素が分かちがたく協力して音楽を構成しています。

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