音楽カリキュラム編成の基本的な考え方


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【Ⅰ】保育の場の音楽とは何か

3.保育の場において、音楽の三要素がもつ意味

(1)リズム(律動)
 リズム教育といった言葉が幼児教育に早くから取り入れたことからも分かるように、音楽の三要素の中では、リズムがもっとも早くから保育の場で注目されました。それはリズムが身体的、運動的であるためだろうと思われますが、従来からのリズム教育は、子どもの音楽的発達過程においてはメロディやハーモニーよりもリズムが早期の段階であるとされてきたこと、リズム感やリズムの表現能力の習得が早い時期ほど効果が高いと考えられてきたためでした(標準音楽辞典 音楽の友社)。
 しかしながら、具体的な指導内容はリズム楽器による器楽合奏やマーチングバンド、ジャック・ダルクローズが考案したリトミックなど、形式化されたものが大半を占め、さらには"じょうずに"演奏すること、演じることに主眼が置かれたため、保育の場における音楽のリズムの要素は、ある偏りがありました。ここではその反省に立ち、リズム楽器演奏を強調するのではなく、リズムが内包する意味を保育との関連で捉えようと思います。
 そもそもリズムとは、第1拍とそれに続く第2拍以降の関係が生み出す拍動のことをいいますが、その拍の連続は少なくとも次の3つ意味を生みだしてきます。

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