第5章 保健は保育の土台


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第3節 保護者に求めたい理解

1.保健を“わかちもつ”

 こども園に起因して子どもが怪我をしたり病気になったりすると、こども園や保育者は保護者の信頼を失うことになります。そのようなとき、どこまで子どものことを案ずる保護者の気持ちを、我がこととするかが問われます。適切な対応をとった、原因は不可抗力と思えるものであった、謝罪もした、保険にも加入していたなどと並べ立てても、親の気持ちは収まるものではありません。親と同じように親の気持ちになって子どもの身を案じ、その気持ちが伝われば、少しは赦してもらえるのかもしれません。
 次章の「保護者と保育を"わかちもつ"」に詳しく述べますが、保健は保育の土台ですからやはり、保護者と"わかちもちつ"ことが求められます。それは単に子どもの一日を分担することではなく、子育ての喜びもしんどさも親と分かち合うのです。そのように親との信頼関係を築くことができれば、いろいろなことを赦し赦される関係にたどり着けるのではないでしょうか。
 園だよりなどで早寝・早起き・朝ごはん・朝排便を奨励しても、なかなか理想どおりには行かない家庭もあるでしょう。親の横着にみえることがあっても、それもその家庭の"いま・ここ"なのだと認め・支えられなければなりません。そのような理解が保護者に伝わり、子どもの成長に手応えを感じられれば、保護者は少しずつでも子どものために良かれと思うことを実践してくれると信じましょう。"わかちもつ"ことの第一歩は、保育者が保護者の"いま・ここ"を認め・支えることから始まります。

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