|
第2節 予防ということ1.生と死有機体として生まれたものは必ず死を迎えます。死を迎えた有機体をそのままに放置すると腐り始めます。腐ったものは悪臭を放ったり有害であったりしますが、一方で肥料として活用される場合もあります。たとえば森の循環がそうでしょう。落ち葉や老木は堆積して、水分や熱によって腐葉土となり、森の肥やしになります。私たちの風景から田畑の肥溜めが無くなって久しいですが、人糞もかつては肥やしでした。子どもたちに身近なところでは、たとえば食べ物を放置しておいたり、枯れた花を花瓶に挿したままにしておくなどすると"いい香り"がしたはずのりんごやバラが、やがて鼻も曲がりそうな"臭い!"に変わっていきます。では"いい香り"が良くて、"臭い!"が悪いかというとそうでもありません。腐ったものは悪臭を放つことで私たちに警告を発してくれているのです。その最たるものが"うんこ"でしょう。でも、それはかつて肥やしにもなっていたのです。 |