第5章 保健は保育の土台


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第1節 病気や怪我に気づく

3.バイタリティ アフェクト

 保育者が"なんだかいつもと違うなあ"、"今日はおしゃべりが少ないなあ"、"目に力がないなあ"、"外に出たがらないなあ"、などと感じ取ることが重要だと述べてきましたが、それは保育者が子どもからその子のいつもの「バイタリティ アフェクト=力動感」(鯨岡  峻)を感じ取れないことでもあります。
 健康な子どもは、いつも自分の興味関心によって気持ちが環境に開かれています。それは活発な子に限らず、おとなしい子でも"いつもの様子"を知る保育者なら分かっていることでしょう。環境に対して開かれている気持ちが少しでも反応を起こすと、たちまち子どもからバイタリティ アフェクトが溢れ出します。保育者はそれを感じ取れないとき、"いつもと違う"と思うのです。子どもが見るからにぐったりしていていれば、通りすがりの赤の他人でも子どもの病気や怪我に気づくでしょう。でも、そのようになってしまう前の、環境に開かれているはずの気持ちがほんのわずかでも萎えていれば、保育者は敏感にそれを感じ取ることができるのですが、それは目にはみえない「バイタリティ アフェクト=力動感」に負うところが少なくないのです。

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